日本近代史と戦争を研究する
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中支那方面軍司令官・松井石根の解任
「軍紀廃頽」による中支那方面軍司令官・松井石根の解任は、ホノルル市民においても知るところとなった。
「日本ノ対支行動行詰ニ関スル特別通信ノ件」在ホノルル総領事より外相宛、1938.3.22 アジア歴史資料センター:B05014001200

三月二十一日朝刊ホノルル・アドヴアタイザー紙ハ「日本ノ対支行動行詰」ト題シ大要左記ノ如キ三月十日広東発同社特派員ノ通信ヲ掲載セリ

(中略)
二、二月十八日松井大将召還、畑大将任命ノ噂専ラナリシカ其後数日ヲ出テスシテ松井大将ハ帰朝シ畑大将之ニ代ツテ上海ニ現ハレタルカ松井大将ノ召還理由トシテ半官報ハ次ノ如ク報道シ居レリ

(イ)松井大将ハ多弁ヲ弄シ外国側ヲ刺戟セルコト
(ロ)南京其他占領地帯ニ於ケル軍紀廃頽ハ外国新聞ニ報道セラレ外国ノ与論不利ニ赴ケルコト
(ハ)軍事行動ノ不進捗


一方、日本のマスメディアは
以上のような内容は報道せず、
松井を「南京を陥落させた凱旋将軍」として迎えた。
(笠原十九司『南京事件』岩波新書530、1997年、213頁)



松井に代り、中支那派遣軍司令官に就いた
畑俊六は1月29日付の日誌に次のように記している。


「支那派遣軍も作戦一段落と共に軍紀風紀漸く頽廃、掠奪、強姦類の誠に忌はしき行為も少なからざる様なれば、此際召集予后備役者を内地に帰らしめ現役兵と交代せしめ、又上海方面にある松井大将も現役者を以て代らしめ、又軍司令官、師団長等の召集者も逐次現役者を以て交代せしむるの必要あり。此意見を大臣に進言致しをきたるが、出張前大臣に面会、西尾〔寿造〕、梅津両中将を南北軍司令官たらしむるを可とする意見を申述べ出張したる処、意外にも二月五日夕青森に到着したる処本部長より特使あり書状携帯、それによれば次官、軍務局長は余を松井の后任に推薦し、余の后任は西尾を可とする意見なりとの内報に接し聊か面喰らいたる次第…」
(『続・現代史資料4 陸軍 畑俊六日誌』みすず書房、1983、120頁)



松井石根は1935年8月予備役となっていたが、
1937年8月召集、上海派遣軍司令官となる。
同年10月からは中支那方面軍司令官を兼任した。

1938年3月に復員し、その後は次の通りである。

1938年7月~40年1月 内閣参議
1942年5月 大日本興亜同盟副総裁
1943年5月 興亜総本部総裁
1945年6月 大日本興亜会総裁
1945年9月 逮捕指令
1946年3月 巣鴨拘置所入
1948年12月 A級戦犯として刑死

(秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』134頁)


中支那方面軍参謀長は、1938年2月、
塚田攻より河辺正三へ交代している。
参謀副長は、武藤章が留任。

(『同上』326頁)



予後備兵から現役兵への交代に関しては、
1938年2月3日の『ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン』紙が報じている。


外務省情報部「支那事変に関する各国新聞論調概要(91)」1938.2.7  アジア歴史資料センター:A03024002600

△在支守備兵交代ト軍民関係  A03024008700


日本陸軍省ノ軍務局長ハ議会テ、現在支那ニ在ル守備兵ヲ漸次現役兵ト交代サセルト声明シタカ、之ハ南京テ出鱈目ナ行動ヲシテ居タ予備後備兵ヨリモ、若イ現役兵ノ方カ軍規ニ服シ易イト云フコトヲ示スモノテハナカラウカ。軍律ノ厳シサテ知ラレタ日本軍ニ斯様ナ声明ヲスルノハ、全ク重大問題テアル。考ヘカ成熟シテ居ル是等ノ予備後備兵カ軍規ニ背クト云コトハ、彼等カ軍部ノ政策ハ 天皇ノ御意思ニ一致シテ居ナイトイフ疑ヲ持チ始メ、又此ノ政策遂行ノ為ニ之以上国家ノ資源ヲ消費スル必要カナイト云フコトヲ信スル様ニナツタコトヲ示スノカモ知レヌ。日本カコレ以上戦争ヲ続ケラレルカ否カハ、是等日本人ヲ構成シテ居ル百姓階級カ、盲目的ニ軍部ノ目的ヲ支持スルカ否カニ懸ツテ居ル。故ニ若シ既ニ乞食ノ様ニナツテ居ル日本国民カ、之以上ノ犠牲ヲ払フコトヲ欲セヌトスレハ、日本軍ハ最ウ之以上支那ノ奥地ニ入ツテ行クコトハ出来ナイタラウ(三日ニユーヨーク・ヘラルド・トリビユーン紙)
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